『夕飯の食卓』

 

実家は自営業だったため、父も母も常に自宅で仕事をしていました。

学校から帰ってくればいつも「おかえり」の声とともに両親が自分の帰宅を迎えてくれていた当時の環境は、すごく恵まれていたんだと思います。

そしてほぼ毎晩必ず、夕飯は家族みんなで一緒に食べていました。

誰かの帰りが遅ければ可能な限り待って、同じ食卓を囲む。

ルールというわけではなくそんなルーティーンが、ウチの家族には存在していました。

両親はお酒を呑みながら、子供の僕らは今日学校であった出来事などをくっちゃべりながら、箸を動かす。

きっと満たされていたのは胃袋だけではなかったんだと今にして思います。

当時の自分にとっては当たり前過ぎる日常の光景、家族みんなで囲む夕飯の食卓、それこそが大人になった自分にとっての家族の原風景となっています。